結論から言うと、「TRPGで用いられている、キャラクターの性格の基準」です。
……だと、Twitterのやる気のないQ&Aになってしまいますので、掘り下げて解説していきます。
といっても、だらだら語っても疲れるだけなので、要点だけかいつまんでいきます。
1つ1つの深い内容は個別に記事を書いていきます。
大前提
TRPGとは?
TRPGは、「Tabletop Role-Playing Game」の略です。
カタカナで書くとテーブルトップ・ロールプレイングゲーム。
アナログゲームの一種です。
プレイヤーたちがそれぞれキャラクターを演じ、キャラクターそれぞれの行動や発言を考え、共同でストーリーを進めていきます。
この時、キャラクターを演じるプレイヤーと、シナリオ進行や敵・NPCを担当するゲームマスターに分かれます。
ゲーム開始時には、ゲームマスターがストーリーの舞台設定や登場人物、ルールなどをプレイヤーたちに伝えます。
プレイヤーたちは、それに合わせて、それぞれのキャラクターを演じます。
キャラクターには、能力値やスキルなどが設定されており、それらを基にプレイヤーたちはキャラクターとして発言や行動をすることになります。
この能力値の設定の1つにアライメントがあります。
ゲームは、ゲームマスターが会話や行動の結果を判定し、それに応じてストーリーを進めていきます。
プレイヤーたちは、ストーリーを進めるために、キャラクターとしての発言や行動をすることで、ストーリーを進めていきます。
細かなセリフや行動は指定されません。
「盗賊団を倒せ」というクエスト、盗賊団のアジト、団長の強さ……ぐらいはシナリオに書いてありますが、その程度です
ですので、プレイヤーがその場のアドリブで決めることになります。
その結果、シナリオから結末が大きく変わることもあります。
毎回のプレイは異なるものになり、熱狂的なファンが多くいるジャンルです。
アライメントが出てくるTRPG、D&D
そして、このTRPGの最も古い作品がダンジョン・アンド・ドラゴンズ……D&Dと略されるゲームになります。
D&Dの初版は1974年。
かなーり古い作品です。
どのぐらいすごい作品かといいますと、
洋ゲーのRPGでD&Dの影響を受けていない作品はないと言っていいレベルです。
日本のRPGがドラクエ・FFの影響を受けているのと同じぐらい、
洋ゲーはD&Dの影響を受けています。
日本で翻訳版が流通したのは遅れて1985年……。
この以前も洋ゲーの熱狂的なファンが、好きな作品に影響を与えた作品として個人的に翻訳して遊んでいたというからすごいですね……。
では、アライメントとは?
D&Dでは、キャラクターの性格を「秩序に対する傾向」「善良に対する傾向」の2つに絞って性格を判断することにしました。
「秩序に対する傾向」とは、キャラクターが法や規則を尊重し、それに従う傾向があるかどうかを表します。
「善良に対する傾向」とは、キャラクターが他者を思いやり、善意で行動する傾向があるかどうかを表します。
2つの価値観を、強い・中程度・弱いと3段階で評価して、分類していきます。
それぞれ、英語で説明すると
「Lawful Good」「Neutral Good」「Chaotic Good」
「Lawful Neutral」「True Neutral」「Chaotic Neutral」
「Lawful Evil」「Neutral Evil」「Chaotic Evil」
……というように、9種類に分類されることになります。
この分類をどうするの?
アライメントテストは、このようなアライメントを持ったキャラクターが、
ある状況下でどのように行動するかを想定し、
その行動がどの程度「そのキャラクターらしい」ものであるかを判定することがあります。
例えば、敵を倒した後にその敵の武器を盗むことは「そのキャラクターらしい」行為であるかどうかを判定することができます。
秩序は事前に「敗者は勝者に武器を譲る」と決めていなければ盗むことはしません。
善も「敗者とはいえ、武器を奪われたたら彼が困るだろう」と盗むことはないでしょう。
……というように、アライメントによってキャラクターのやりそうな行動が決まります。
また、アライメントテストでは、
キャラクターがストーリーにどのような影響を与えるかも検討することができます。
例えば、「Lawful Good」のキャラクターは、
「秩序に対する傾向」「善良に対する傾向」が強いキャラクターであることをを表します。
ですので、基本的には「善良」で「秩序を重んじる」キャラクターとして捉えられます。
このキャラクターは、法律や決まりごとを守り、他人を平等に扱うことが大切だと考えます。
また、自分が望むことを優先することよりも、他人を思いやることを優先する傾向があります。
このキャラクターは、法や規則を尊重し、それに従いながらも、他者を思いやり、善意で行動する傾向があります。
一方、「Chaotic Evil」のキャラクターは、
「秩序に対する傾向」も「善良に対する傾向」も弱い(=軽視する・反抗する)キャラクターであることを表します。
基本的には「悪辣」で「混沌を好む」キャラクターとして捉えられます。
このキャラクターは、他人や社会のルールに縛られることを嫌い、自分の望むことを優先します。
また、他人を思いやることよりも、自分の利益を優先する傾向があります。
このキャラクターは、法や規則を無視し、自己中心的で、他者を利用したり、欺くような行動をする傾向があります。
このように、キャラクターのアライメントは、ある状況下でどのような行動をとるかを想定しやすくする補助輪の役割を持ちます。
もちろん、行動だけではなく、言動も想定できます。
具体例
D&Dでは、特定の職業とアライメントの印象がリンクしているケースもありまづ。
分かりやすい例ですと「聖騎士」です。
聖騎士は、宗教上の決まりを遵守し、弱者を助けます。
……つまり、秩序・善(Lawful Good)のアライメントです。
冒頭の「盗賊団を倒す」といったクエストを受ける際も、
聖騎士であれば
- 町の一般人を襲った悪者を倒すため
- 教団から討伐依頼が出た
といった理由でクエストを受けるでしょう。
この際、クエストの報酬を重視しないこともアライメントから予測できます。
ですので、聖騎士はこの依頼に「報酬はいくらになる?」と尋ねません。
「人々を苦しめる盗賊団を無視しておけない!」なんてセリフが合いますね。
盗賊団をあった時に「令状に則り、諸君らを成敗しにきた!」なんて言っても面白いですね。
……と、アライメントがあることで筋書に書かれていない決定事項が生まれます。
反対に混沌・悪(Chaotic Evil)であれば、
- 嫌いなヤツが所属している盗賊団
- 指名手配犯=何をやってもいい相手
- 報酬が高い
なんて理由でクエストを受けるでしょう。
「報酬はいくらになる?」は言うでしょうし、
「人々を苦しめる~」なんて単語は絶対に出てきません。
「友人の○○から剣をパクったクズをシメるついでに金が貰えるなんて最高じゃねぇか!」
……は言うかもしれませんけどね。
おわりに
というように、アライメントは
キャラクターを演じる際に、その行動や言動を想像しやすくするために、性格の基準として、D&Dで考案されたものです。
このブログでは、私の思いつく限り、このアライメントを掘り下げていきます。
これからもどうぞごひいきに。